『ナノ・スケール生物の世界』(リチャード・ジョーンズ/梶山あゆみ 訳/河出書房新社)
渋谷のとある本屋で、なぜだかこの写真集が「スポーツ」コーナーのすぐ横に平積みにされていた。気になる。手に取って眺めてみて驚いた。肉眼では決して見ることのできない極小の世界に、芸術的な風景が広がる。
僕のまわりの facebook では、奇麗なものの写真を載せることが少々流行っているが、ここに出ている写真を日替わりで載せてみたら、「いいね!」を押してくれる人がたくさんいそうだ。見方によってはグロテスクと感じるものもあるが、自然の驚異、という目で見るとどれもアートである。
僕のお気に入りは以下のナノ・スケール写真。想像もできないところに、とてつもない美が隠れている。それが嬉しい。
◇ バラにつくサビ菌の胞子
◇ 花の柱頭に挟まった花粉
◇ クラリセージの葉を覆う毛とその上に乗った精油分泌腺
◇ キモヒトデの表面
◇ サクラソウの花びらを覆う突起
◇ モウセンゴケの葉の表面
(ことしの本棚 第47回 針谷和昌)
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