ことしの本棚39『BEACHES』

『BEACHES』(Stefano Passaquindici/UNIVERSE)
 

 
少し前まで、海外の写真集でビーチが出ていそうなものに目星をつけて、1頁1頁丁寧にめくっていって、目を凝らして見ていた。そうして「あった!」とビーチバレーシーンの写真を見つけることがたまーにあった。そうやって集めた“ビーチ写真集”がたくさんある。
 
久しぶりにそれに加えられそうなのがこの写真集。おおらかな写真が並んでいるが(その意味はきめ細かい感じの絵はがきのような写真ではないということ=僕にとってはその方が良い)、よく見ていくと何枚かビーチバレーシーンにお目にかかれる。
 
ブラジルのリオデジャネイロ、そしてイパネマ。ドミニカのプエルトプラタ。アメリカの写真が少ないのであまりないが、イスラエルのテルアビブにはたくさんコートが写っていて、ブラジルやアメリカを感じさせる本格的な雰囲気がある。
 
こうやって探しながら写真集を眺めていると、世界のビーチに憧れていた自分の気持ちが蘇ってくる。ビーチへ行ったら焼けようと肌を露出したり、1人でもビーチバレーボールと戯れたり、そういうことをやらないいまは、そこまでの憧れはない。
 
でも、ロスアンゼルスやリオデジャネイロで過ごした短いビーチライフの幾つかのシーン=友人がカップを持ちながら朝 語りかけてくる姿、日常的にやっているビーチバレー、日替わりで通った街角の4角にあるレストラン、日中の光の強さ、日暮れの風の冷たさ、その他たくさんの場面=は、いつでも昨日のことのように思い出すことができる。

  
ことしの本棚 第39回 針谷和昌)

hariya  2011年4月25日|ブログ