ことしの本棚38『THE EIFFEL TOWER』

『THE EIFFEL TOWER』(LUCIEN HERVE/Princeton Architectural Press)

 

  
まとめて3冊買った写真集の中でもいちばん気軽におまけのような気分で手に取った。いつからか電線塔に心が惹かれる自分がいて、そういう本が少しずつ集まってくる。その延長線上でもあるし、5年前に行ったフランスを思い出したくもあったし、そのときエッフェル塔が見える場所を案内してくれたパリに住む友人の facebook ページの写真がモノクロなのと、この写真集がモノクロであることの共通点に、無意識のうちに感じるものがあったのかもしれない。
 
エッフェル塔は電線塔ではないが、いろいろある写真の中では、鉄塔が線のように組み合わさる幾何学模様に惹かれる。電線塔に惹かれる主な部分もそれで、電線塔の場合は加えて子供の頃に見た怪獣映画やウルトラマンのように堂々と立っている部分にも惹かれるような気がする。
 
今頃きっと、新東京タワー=東京スカイツリーの立つまでをずっと写真に収めている人がいるだろう。そしてそれをきっと写真集にするだろう。東京スカイツリーには電線塔のようなあるいはエッフェル塔や東京タワーにある幾何学模様的な魅力は殆どない。だから僕がそれを購入することはなさそうだが、その代わり、スカイツリーには近未来的雰囲気があって、そこをクローズアップした“未来都市”的な写真集が出来れば、それはそれで面白いかもしれない。
   
まとめて買った残りの2冊の写真集についてはまた追って。そして以下は「電線塔」路線の本のリストです(クモは幾何学模様に共通性あり(?))。
   
『タワー 内藤多仲と三塔物語』(橋爪紳也 田中彌壽雄 内藤多四郎/INAX出版)
『東京鉄塔』(サイマルヒデキ/自由国民社)
『鉄塔 武蔵野線』(銀林みのる/ソフトバンク文庫)
『テツオ』(伊藤之一/WALL)
『クモの網』(船曳和代 新海明/INAX出版)
 

 
ことしの本棚 第38回 針谷和昌)
 
追記)本屋で平積みされている「ゆびピアノ」という付録が面白くて 『小学一年生』4月号を買ったら、偶然「東京スカイツリー」が特集されていた。段々高くなっていく様子など、写真がたくさん出ていた。
 
 

hariya  2011年4月22日|ブログ