前から読みかけていた本群と新しく買った何冊かの本を一気に読んだここ3-4日。
『天才が語る』(ダニエル・タメット/古屋美登里 訳/講談社)
『誰が小沢一郎を殺すのか?』(カレル・ヴァン・ウォルフレン/井上実 訳/角川書店)
『競争と公平感』(大竹文雄/中公新書)
『食える数学』(神永正博/Discover)
『ぼくの生物学講義』(日髙敏隆/昭和堂)
『新ソーシャルメディア完全読本』(斉藤徹/アスキー新書)
じっくり読んだものもあれば、最後は飛ばし飛ばし読んだ本もある。こうやってみると「読み切る」ということに必ずしも価値を置かない方がいいように思える。最初から読み始め最後まで読み切る、ということをルールにしていると、それが目的になってしまって、肝心の本から何を感じるか、本を読んで何を考えるかという主題がどこかへ行ってしまい、目的と手段が逆転してしまう。
本を読んでいることを忘れてしまう読書―買って来た本がすべてそういう本だったら幸せだと思う。上記6冊のうち今までに読んだことのある著者の本は半分の3冊、それらはハズレではなかったし、自分にとってのハズレの確率が初めて読んだ著者の本より低かったけれど、必ずしも読んでいることを忘れながら読めた訳ではない。
そもそもアタリ、ハズレは著者のせいなのか、読んでいるこちらの状態によるものなのか。それもよくわからない。全然別の時期に違う心理状態で読んだら、ハズレが大アタリになる可能性もありそうな気がする。
難しいのは、その時にハズレと感じた本との付き合い方だ。あくまで最後まで読むのか、目を通すのか、ハズレと思った時点で止めるのか。読まないともったいない、という気持ちを抑えることができるのか。普段いろいろと判断している仕事を始めとする様々なことの方が、判断がより早くより的確にできている気がする。読書は見極めが難しい。
(ことしの本棚 第29回 針谷和昌)
※表紙写真の大きさの比率は実物通りではありません
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