僕が小説をあまり読まないのは、小説を読んでいると身も心もその世界に入りきってしまい、読後にどっと疲れが出るから。多大なエネルギーを使う。映画を見た後にも近いし、芝居を見た後もそんな感じになる。身も心も小説の世界に奪われてしまう感じ。とくにこの作家の世界には、すっと入っていって、そのまましばらく抜け出せない。
金城一紀。『GO』(講談社)、『レヴォリューションNo.3』(講談社)、『対話篇』(講談社)、『フライ,ダディ,フライ』(講談社)、『SPEED』(角川書店)、『映画篇』(集英社)、『SP 警視庁警備部警護課第四係』(扶桑社)。そして今回の、『レヴォリーションNo.0』(角川書店)。そのすべてで、身も心も奪われた。とくに僕が好きなのはオヤジが頑張る『フライ,ダディ,フライ』。
ひさびさに書店で “レヴォリューション” “金城一紀” の文字を見つけて嬉しかった。最近出ないなぁ、そろそろかなぁ、と思っていたところだから。この新刊は書き下ろしである。期待通り。あまりたくさん書かない人なので、また1年ぐらい待っていればいいか。
この小説と一緒に、“いつも” のノンフィクションを買う。
『天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界』(ダニエル・タメット/古屋美登里 訳/講談社)
『素顔の斎藤佑樹』(早稲田スポーツ新聞会/ワニブックス)
『天才が・・・』は『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』と繋がっているし、斎藤佑樹ものは見逃せない。早稲田スポーツの人たちには、『サッカー 本の宇宙』を展開した「サムライ・ブルー・カフェ」でのイベントにも出てもらった。
本のまとめ買い自体(と言っても3冊だが)何だか久しぶり。本屋に入り面白そうな本を手に取り買う本を決めて購入して店を出たら…とてつもなく爽快。間違いなく、本を買うことが僕のストレス解消になっている。例え買った本をぜんぶ読めなくても、本を買うことをやめてはいけない。そう確信(笑)。
(ことしの本棚 第21回 針谷和昌)
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