『金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?』
(堀江貴文/徳間書店)
刑務所の中にいながらメルマガ等で1億円以上稼いだというホリエモンの「仮出所後第1弾」の本。約1年前、去年の4月末に出た。メールマガジンのコンテンツを編集・再構築したもので「獄中から伝えるビジネスモデル」「Q&A」「解説 (夏野剛,西村博之,藤沢数希,船曳建夫)」から構成されている。
ホリエモンは合理的である。言っていることが正しい。「好きなことをやれ」と若者に言い続ける。「ルールや不安に縛られずに、好きなビジネスに挑んだらいいのだ!」と言う。ホリエモンが「オレは貧しい」とは思わなくなったのは、年収1千万円を超えた頃からとのことなので、「不安に縛られない」収入額はそのあたりを指していると思うが、巷ではその額が450万円という説もあれば、750万円という説もある。いずれにせよ、そこをクリアしたら「好きなことをやれ」ということである。
「不安に縛られ」ないようにするには、収入がそのレベルで安定しなければならない。そして、好きなことをやるということは安定の対極にあるのが普通だから、好きなことにチャレンジしつつこの不安から逃れるというのは、結構難しい。最初から好きなことをやっていて、知らないうちにクリアしていたというのが、いちばん幸せではある。と僕は思うのだが、ホリエモンは、「「幸せとは……?」とか、くだらない事をグチグチ考える必要はな」く、先ず「個人がポジティブに生きること」が日本を良くする最初だと言う。
合理的でありポジティブ、そして既存の決まりごとや価値観を考え直してみて、別のやり方をやってみる人、そんな人なんじゃないかと、ホリエモンの2冊の本を読んで思う。
(日々本 第334回 針谷和昌)
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