店頭で見掛けるようになってずっと気になってはいたのだけれど、著者のアーティストが美人だから買うというのも恥ずかしいし、しばらく遠巻きに眺める状態を続けていたところ、新聞で大きく特集されていてそのインタビューや紹介記事を読んだ日にまた書店で見掛けてしまい、これはやっぱり何かの縁だと思ってみたり、帯の「マサチューセッツ工科大 28歳日本人助教が教える『自由に生きる』ヒント」というアカデミックな部分に誘われた気になってみたり、しまいには「スプツニ子!」の語源になっている「スプートニク」は世界初の人工衛星でソ連が1957年に打ち上げたものでその1957年は僕が生まれた年だなどと、まったく訳のわからない理由もつけて、買った。
そんな「影響されやすい」自分なのであるが、この本にもすっかり影響されて、「アーティストになってみたい」なんて思ってしまっているのは、この閉塞感ただよう世の中でその壁をぶち抜く様に思いっきりやっている著者が気持ちよかったりするからなのだけれど、その徹底的な思いっきりのよさとターゲットに向けてのアプローチの仕方と美人さとでこの人はこれだけ出て来たんだろうなぁと思うと、徹底できる欲みたいなものが実はいちばんポイントなのかも知れないとも思えてきた。
『はみだす力』(スプツニ子!/宝島社)
外見に違わず刺激に富んだ本である。
(日々本 第324回 針谷和昌)
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