日々本 其の三百二十「ベニオフ」

『クラウド誕生』(マーク・ベニオフ カーリー・アドラー/齊藤英孝 訳/ダイヤモンド社)

マーク・ベニオフ(米)、業務用ソフトウェアをサービスとしてインターネットを介して提供する会社 セールスフォースを立ち上げると同時に財団も創って走り始めた。それから約15年。いまやクラウドコンピューティングのリーディングカンパニーであり、カンパニーと表裏一体の財団の活動は、世界の社会貢献活動をリードする。

どうしてそんなことができたの。どんな発想を持ってどんな行動を起こして、今まで人がやったことがないことを成功させたのか。その道程が描かれている。

既存の業界最大手にターゲットを絞り、最大手の活動を利用して自社プロモーションを仕掛ける手口は、かなり激しい。非常に激しい。それとセールスフォースが「1-1-1モデル」と呼んで取り組んでいる社会貢献活動=株式の1%の資金の拠出、製品の1%の無料提供、社員は労働時間の1%を提供=の清々しさとのギャップが、とてつもなく大きい。

これは書かれていないが、ビジネスを成功させなければ、社会貢献活動も成功しない、という強い信念があるのだと思う。ビジネスを徹底的に追及するマインドと、社会貢献活動を成功させるマインドは、基本的なところで一緒だということなのではないか。社会貢献活動だからと言って、甘えは禁物、そう言っているような気がする。

僕はいま「1-1-1モデル」の思想をお手本に僕らに適した形に変えた社会貢献活動を、とあるプロジェクトで進めようと考えている。そのためにも絶対に読んでおくべき本だった。プロジェクトを構築するにあたり、彼のもう1冊の著書『世界を変えるビジネス』(マーク・ベニオフ カーリー・アドラー/齊藤英孝 訳/ダイヤモンド社) も追っ掛け読み込んでいる。

(日々本 第320回 針谷和昌)http://booklog.jp/users/hariya

hariya  2014年1月08日|ブログ