『1日で学び直す哲学』(甲田純生/光文社新書)
『考えすぎた人 お笑い哲学者列伝』(清水義範/新潮社)とセットのつもりで読んだ。取り上げられている哲学者たちの生誕年も出ていて、それらをチェックしていった。読むのに意外と時間がかかって、お笑いとのセットや時代での把握という当初の目論みは成就しなかったのだけれど、名だたる哲学者たちの誕生年と印象的な記述を書き出してみる。
■ピタゴラス(紀元前570年頃)…数学、神的、魂の不死、超感覚的なもの
■ソクラテス(紀元前470 or 469年)…無知を自覚していない者は馬鹿である、知を求めるということは死ぬことを練習すること
■プラトン(紀元前427年)…イデア論、言葉のうちに眠っている真理との対話
■アリストテレス(紀元前384年)…論理学、動物誌、自然の探求、形相、主語と述語、内容と形式、原因
■デカルト(1596年)…数学の優位、現実への懐疑、コギト エルゴスム(我思う ゆえに我在り)、私の存在には私の肉体は含まれていない
■ベルクソン(1859年)…持続、メロディー、意識
■バタイユ(1897年)…眼球譚、死の恐怖
■カント(1724年)…量のカテゴリー、質のカテゴリー、関係のカテゴリー、様相のカテゴリー
■ヘーゲル(1770年)…存在が抱える爆弾、「私」の存在が抱える爆弾、アウフヘーベン(揚棄する=否定する,保存する)、マルクスは人間の歴史の動きを根底で支配しているのは生産力という経済条件で利潤を追求すればするほど利潤率が下がるという爆弾を資本主義はかかえているということを示そうとした
■ハイデガー(1889年)…存在と時間、ピュシス(自然)の思考、配慮、死
1日では学び直せず、やっぱり難しい哲学なのであるけれど、幸せに生きていくためには避けては通れない道が哲学なんじゃないかなと思う。
(日々本 第304回 針谷和昌)
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