『虫と遊ぶ12か月』(奥山英治/deco)
珍しいのだけれど、時間に追い越されている。え?もう8月?とか、13日?とか、最近よく思う。自分の感覚ではまだ7月下旬だったりする。これまでは時間の先回りをすることが多かったけれど、このごろ時間の後をついていくような感じ。どうしてだろう?何となく来てほしくないことがその先に待っているから、という気もするのだが、本当のところはよくわからない。
で、もう8月中旬である。夏真っ盛り、というか暦の上では夏がもうすぐ終わる。夏と言えば虫。たくさんの虫に出会える季節は、この夏しかないのだけれど、今年もそれほど多くの虫に出会わずに、夏が過ぎて行ってしまう。夏には少なくとも1回は、樹にとまった蝉を直に手で捕まえないと、元昆虫少年としては夏が来た気がしない。ここ数年は、写真に撮ってから手で獲る、という順番になっている。
この本には夏の虫との遊び方も出ているけれど、夏を過ぎても1年中、どうしたら虫と遊べるかが丁寧に書いてある。そのお陰で焦る気持ちが少し和らいだけれど、僕が大好きな蝉は夏にしかいない。アブラゼミでもいいけれど、できればミンミンゼミを今年も捕まえてみたいなぁ。
(日々本 第281回 針谷和昌)
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