『考えない論』(杉原白秋/ARUMAT)
『塩狩峠』を薦めてくれた新たな友人からの次の推薦本。「考えない」ことの利点をこれでもかと問い掛けてきて、本当に考えさせられる(笑)。いゃ、マジにこの本は真髄を突いていて、現代の「動物化」(先を見据えた物語のもとに行動するのではなく目の前のことだけに対応していく生き方)にも繋がっている話だと思う。
「動物に特有な現在への全面的没入」がペットがわれわれに癒しを与えてくれる理由だという。スポーツでのホームアドバンテージは、慣れている場所で余計なことを考えなくていいところにあるという。
ヘタな考え休むに似たりという言葉もあるけれど、「考える葦」である人間が考えなくて幸せになれるのだろうか。脳を発達させることで生き延びてきたものの子孫としては、どうしてもそう考えてしまうのであるが、少なくともスポーツに関しては、あまり考えない方が良い結果が出るように思う。
ちょうどすぐ試せる機会があるので、考えないことに没頭してスポーツしてみよう。それで上手く行ったら、ちょっと勇気がいるけれど次は仕事に取り入れてみようか。
(日々本 第276回 針谷和昌)
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