『思考脳力のつくり方 ―仕事と人生を革新する四つの思考法』
(前野隆司/角川oneテーマ21)
これまで読んだ前野教授の本の中で最も難しかった。難しいから勉強になる。わからないからわかりたくなる。学問の先に悟りが待っている(前野教授の理論を突き詰めていくとそうなる)と思うと、前野教授の本は読む方にとってもチャレンジングである。わからないなりに、書き出しておきたいところは無数にある。そのうちの幾つかを以下に。
MECE と書いてミッシーと読む(またはミーシー)。Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive =互いに排他的で集めると全てを尽くす=問題を分析したり整理したりするときに「漏れ」がなく「重なり」がないような部分集合に分けて考えよ。
システム思考やシステム工学で多用されるのは「ツリー型」「ネットワーク型」「マトリックス型」の手法。また静的な問題と動的な問題にも分けられる。
「システムとしての幸福とは?」(※抜粋・大幅省略)
・・・・・・・・・・・(成 長)
・・・・・・・・・・・・・↑
・・・・・・・・・・・・思 想
(空 間)← 性 格 満 足 調 和 →(時 間)
・・・・・・・・・・・安心・健康
・・・・・・・・・・・・・↓
・・・・・・・・・・・(安 定)
【アコモデーション】異なる視点や意見を持った人々やグループ全員が納得する合意。
「猫を見ているととても幸せ、彼らは悟っているのか?」という質問をいつか教授にしてみたいと思っていたのだが、その答えがこの本に書いてある。動物の心境は悟りの境地と似ているが、異なる。何も知らない優しさと、何もかも知った上での優しさは異なる。ということだそうである。教授は学問から悟りへ到達した初めての人なのではないだろうか?
『四つの思考法』というのは次の四つ。この四つのスタンスは同時に成立すべき、だそうである。
・要素還元思考(分析的世界理解)
・システム思考(世界の構造の論理的理解)
・ポスト・システム思考(論理的限界の理解と不条理の調整)
・システム思想(論理と不条理の全体に対する肯定的な納得、あらゆるフェーズの同時並立の許容、フェーズの境界の超越)
全体に納得したかと言えば、うっすらと、としか答えられない。まだ教授の本で読んでない本が何冊かあり、教授が薦める本もたくさんあるので、それらを読み進めながら脳力を高めていくしかない。
[読んだ本]
[未読の本]
(日々本 第271回 針谷和昌)
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