『本は物である – 装丁という仕事』(桂川潤/新曜社)
「本とは何か?」「図書館とは何か?」それぞれについて話をしてほしいという依頼があって、ずっと考えていた。「本は物である、電子書籍は情報である」「図書館は知の宇宙である」… そんなことを考えていたある日、本の森と読んでいる本屋のいちばん奥まで歩いて行くと、この本が寝ている(特別コーナーとして台の上に平たく置いてある)ではないか。わざわざ「物」に「モノ」というルビがふってある。
・電子ブックと「書物としての身体」
・「物である本」は残るのか?
などダイレクトに参考になる考え方、本の見方はもちろん、装丁について、本づくりの現場について、装丁家について、装丁の協働作業について、そしてかけがえのない本についてなど、本についての基本をプロが教えてくれている。
毎日手に取り読んでいる本について、僕はまったく知っていないではないか。わが 社団法人 本の宇宙 はアウトプットに力を入れて来ているが、インプットの方もいま一度 勉強会開催などを含めてやるべきではないか。本や図書館について話をすることが少々延期になったので、時間を上手く使ってこの猶予を活かせればと思う。理想は森が多い避暑地へ行って、持ち込んだ知的書物をゆっくりと読んで行く、という日々だけれど、今年はもう(10年振りぐらいの)夏休みをとってしまった。
(日々本 第269回 針谷和昌)
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