『スローフット なぜ人は、サッカーを愛するのか』(西部謙司/双葉社)
ディエゴ・マラドーナの話から始まる。そして自らのストリートサッカーへ。またマラドーナの話へ。さらに自らの草サッカーの話….そんな中に「フット ボールは少年を大人にし、大人を紳士にするという言葉があるが、ときに大人を子供にし、酔っぱらいにする」なんていう著者が作った格言(?)が出て来たりする。
ボクシングに例えれば、軽量級だけどノックアウト勝ちの多いボクサー。入り易く読み易い文章が連なっていて、いつの間にかサッカーの神髄に近づいている。 そこがこの著者の最大の魅力だと思う。
この本は『Eat foot』に続く、著者2冊目のサッカー評論集だそうで、2003年に発行されたもの。出てすぐ読んだ時に、印象的な部分の頁の端を折った跡が、家の本棚 にしまってあった本にあった。その2ヵ所の頁のどこが、7年前の自分にとって重要だったのか、今となっては心もとないが、たぶんここではないかというろを、ピックアップしてみよう。
「試合中にボールがオレンジにすり替わっても、ディエゴはそれまでと同じようにプレーするだろう」
「どのように勝つかは重要だが、どのように負けるか、これもけっこう大事なのだ。アイルランドは、勝敗以外にプレーする理由がはっきりとあり、そのために負けっぷりがキレイなチームであった」
さて、「サッカー 本の宇宙」には、この著者の本がたくさん置いてある。おそらく著者別では最多だろう。これだけあっても“読んで も読んでも読み足りない”、きっとそんな気持ちにさせられると思う。
『Eat foot おいしいサッカー生活』(西部謙司/双葉社)
『サッカーがウマくなる!かもしれない本』(西部謙司/出版芸術社)
『監督力 サッカー 名将の条件』(西部謙司/出版芸術社)
『1974フットボール オデッセイ』(西部謙司/双葉社)
『日本サッカー 世界で勝つための戦術論』(西部謙司/青春出版社)
『イビチャ・オシムのサッカー世界を読み解く』(西部謙司/双葉社)
『ワールドクラスサッカー戦術の軌跡』(西部謙司/大和書房)
『W杯の透視図「蹴球対談」』(西部謙司×倉敷保雄/出版芸術社)
(文・社団法人 本の宇宙)
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