『怒らない練習』(アルボムッレ・スマナサーラ/しりあがり寿[イラスト]/サンガ)
『怒らないこと』も『怒らないこと 2』も読んでいる。『怒らないこと』はまだ売れ始める前に読んだ。他のスマナサーラの本もたくさん読んだ。それなのに買ってしまう。表紙から存在感を発揮している [イラスト] しりあがり寿 の引力が大きい。
前にも書いたことがあるけれど、以前僕は会社で毎日怒っていた。今日は怒らないように、と決意して出社した5分後にはもう怒っていた。そんな自分に嫌気が差し始めた頃、本屋で『怒らないこと』というタイトルに巡り会い、夢中で読んだ。その後もしばらく怒るのは続いたけれど、最近はだいぶ怒らなくなってきたと思う。明らかに仏教のお陰である。
でも、電車の中で読み始めたら、隣に座って来た人の肘が僕の腕に当たったまま。嫌だなぁ、なんでそういう座り方なんだろう?って、読んでる先から怒っている自分に気がついて苦笑。
そんなこんなで『怒らない』3冊目。忘れやすいので、新鮮な気持ちで読んだ。忘れるということが、仏教の初歩でもあるし。
怒りとは、喜びがない状態
喜びとは、怒りがない状態
否定的なものは「怒り」
肯定的なものは「喜び」
発達不可能な原子脳には、ものごとを危険視するバイアスがプログラムされている
怒り、物惜しみ、グチ、悩み、嫉妬、あら探し、軽視…今、どんな眼鏡をかけているのか、確認します…気をつけます
休憩を取る
世の中で、怒るべきことは何1つない…すべては「なるべくしてなる」もの…
ごくわずかの怒りに気づくこと
言葉に感情を混ぜるのは危険だと思ったほうが良い
「自我」は幻想
すべて錯覚にすぎません
怒りというバケモノ
一切の現象は無情だ。儚いものだ。変化し続けるのだ
生きるとは苦である
それにしても、しりあがり寿は天才だ。こんな脱力感いっぱいの絵で「怒らない」ことを表現されたら、誰でもそれができそうな気がしてくる筈だ。一度、会社の近くですれ違って、その後しばらくベンチに座っている姿を見た。その時は遠慮したけれど、今度再びそんなことがあったら、本にサインをしてもらおうと思う。そういう力が入ってしまいそうなことは、してくれないかなぁ。それともササッと書いてくれるかなぁ。
(日々本 第246回 針谷和昌)
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