書き手の肩に力が入っていない(ように感じる)ので、そして本音を書いている(ように感じる)ので、さらにユーモアがたっぷりなので、読み手も気張らずに読める本がある。
『サッカーの上の雲』(小田嶋隆/駒草出版)
『サッカー茶柱観測所』(えのきどいちろう/駒草出版)
やゃや!書いてみて初めて気がついたけれど、いずれも「駒草出版」。この2冊の本からは、東京都台東区にあることぐらいしかわからないのだが、がぜん興味がわいてきて、調べてみた。
駒草出版のウェブサイトを覗いてみると、占い・スピリチャルから始まって、生活実用、教育、文芸、児童書、動物・ペット、ノンフィクション、サブカルチャー、エッセイ、スポーツ、ビジネス、音楽、詩歌まで多彩なジャンルのたくさんの本を出している。ざっと見ただけだが、なんとなく“身近さ”を感じるラインアップである。スポーツを詳しく見ると、ぜんぶで9冊出していて、そのうち7冊がサッカー本(あとの2冊は「自転車」と「ジャイアント馬場」)。
さて2冊の本の簡単なご紹介を。
『サッカーの上の雲』では著者はイラストも描いている。この絵が、文章に匹敵する“味”を出していて、これだけ眺めているだけでもイケル。コラムは2001年1月18日~2006年12月1日までの「ビジネスジャンプ」や「フッティバル」などに書かれたものを集めてあるのだが、日韓ワールドカップを境に、画風が変わって進化した気がする。
『サッカー茶柱観測所』は、週刊サッカーマガジンに掲載されたコラム(2002年6月12日~2006年12月1日まで)からの ピックアップ。いきなり最初の「オコチャ、超ヤバくね?」という男子中学生のコメントを紹介したコラムから引き込まれ、次のコラムの「シミスポ」、その次の「プレステージ・チケット」などの言葉が気になって、ついつい読み込んでしまう。
たまたまほぼ同時期のコラム集となった(ように感じる)この2冊の本は、気合いが入り過ぎがちな僕らをなごませてくれる。
(文・社団法人 本の宇宙)
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