そのコーナーはいつも知的雰囲気を醸し出していて、つい立ち止まって眺めたり手に取ってページをめくる本が多い。決して必ず買うという訳ではないけれど、そこを通過するということが、この本屋の魅力のひとつにもなっている。
他のコーナーも、ここには翻訳ものの社会学的本が集まっている、ここには哲学が、ここには外国文学が、ここにはポップな建築系が並んでいるといったように、彩り豊かな個性的なコーナーが集まった形で本屋全体が構成されている。
そんな気にさせられるということは、この書店の店長かレイアウト係か、とにかく全体構成と選書のバランスがかなり取れた達人たちが複数いるのではと勝手に想像させられる。
たまたま別件で本を取り寄せる機会があったので、それと併せてこの本は取り寄せてしまったけれど、こういう本が例えばその知的雰囲気のコーナーに積んであったりするイメージである。
『錯覚する脳』(前野隆司/ちくま文庫)
『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』からの流れで読んでみたけれど、「死ぬのが怖い」と同様、パッと腑に落ちるというよりは、ジワジワと納得させられた。『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』(ちくま文庫)は以前確か単行本で読んだことがあると思うのだが、本棚に見当たらないので、再チャレンジしてみようかと思う。3冊目にして腑に落ちることを期待して。
(日々本 第227回 針谷和昌)
最初に書いた本屋の名前を書き忘れていました。自由が丘駅からすぐの BOOK 1st. (メルサ2内) です。
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