日々本 其の二百十「練習船日本丸」

『練習船日本丸』(岩波写真文庫184/岩波書店)

とある facebook page をスタートさせたので、鉄棒のある公園を探している。公園に鉄棒があるかないかは、例えばウェブサイトで公園の案内の写真に載っていなければ、行ってみるまでわからない。ある日、地図を見て、この辺りに小さな公園がある筈だと歩いていったところ、ある筈の場所にはまったく見当たらない。ある筈の場所には建築やアートや写真の本を集めた本屋さんがあって、とても良い感じ。

公園を探すのを忘れた訳ではないけれど、入ってパッと目についたのがこの本。さらにめくってみると、下の写真から目を離せなくなった。発行年を見ると1956年4月。値段も手頃。ここでこの本を買わなければ、もう手に入らないだろう、という気持ちが盛り上がって、すぐにレジに持って行った。

船乗りも、船も、日本丸にも何の関係もないけれど、古本には人に「これも縁だ、買わなければ」と思わせる力がある。“古本”。電子書籍には絶対に生まれない本の形態である。古本を追求して行くと、ちょっとまた面白い本の企画ができそうな気がしてきた。

さて肝心の公園は、店員の方に地図を一緒に見てもらって、改めて確認してみたけれど、どうやら縁がなくて今のところ幻の公園となっている。

日々本 第210回 針谷和昌)

hariya  2013年3月12日|ブログ