日々本 其の二百九「Who’s who」

『プロ野球選手写真名鑑 オールカラー2013』(日刊スポーツ出版社)

新聞をかたづけようと思ったらたくさん集まってぶ厚くなっていた折り込みの中からポロッと出て来た。危うく新聞と一緒に綴じてしまうところ。ファンとして愛好している時期もあったが去年から仕事上の必需品にもなった。世の中には『プロ野球全選手カラー写真名鑑』『プロ野球オール写真選手名鑑』という類似品もある。専門誌なども同じようなものを作って競っている訳である。この名鑑は全選手の昨年の成績と通算成績が載っているけれど何故すべての年の成績を載せないのだろうか。カラーでなくてもいいからそれは載せていてほしい。

僕は1975年からしばらく『Who’s who in baseball』というメジャーリーグの選手名鑑を洋書店で買っていた。こちらはリーグ登録全選手の生涯年度別成績載っていて、ずいぶんじっと眺めていたものである。いまでも気になる年には購入する。それらをいま持っていれば結構価値があったのではないかと思うが、引っ越しの時にエイヤッと捨ててしまった。だいたいエイヤで捨てると悔いが残る。爺ちゃんにもらった東京オリンピックの時のフェンシング人形もエイヤしてしまった。爺ちゃんからもらった唯一のものだったのに。

それはともかく日本の昔の名鑑には何と選手の住所が載っていた。たぶん「ファンレターの宛先」という意味で載っていたんだと思う。何丁目何番地何号まで完璧に載っていたから不用心と言えば不用心だけれどそれで何か事件が起きた訳でもない。住所が丸わかりだからなのか王選手が本塁打の記録を作る前には自宅の前にサインを求める長蛇の列が出来た。古き良き時代だったなぁと思う。

アメリカを真似して『Who’s who in baseball』を作っても面白くないけれど(たぶん)アメリカにもない『Who’s who in sports』という本を作ったら面白いのではないか。少なくとも僕は毎年買う。

http://booklog.jp/users/hariya 第209回 針谷和昌)

hariya  2013年3月10日|ブログ