『サッカー日本代表システム進化論』(西部謙司/学研新書)
著者の本はだいぶ読んでいるけれど、そのどれも面白い。この本も面白い。いや面白いことに変わりはないのだけれど、面白いという言葉は的確でなくて、読んでいると楽しくなってくるというか、そこにスポーツの本質と相通じる文章力を感じる。
「スペシャリストを組み合わせた分業システムの限界」「まだH全体のレベルは低かった」「継続性を放棄したうえ、監督の人選もミスキャストだった」「いろいろな「ない」を前提にしたサッカーは、その長所を消された時点で弱点をカバーできなくなる」
結構厳しいことが書いてあるのだけれど、その前後の脈絡、あるいは書きっぷりに何というかある種の愛があって、読者も救われる訳である。
2010年2月に出た本。少し読んで約3年間、本棚に並んでいた。僕はサッカーの 4-4-2 とか 3-5-2 とかのフォーメーションの話が不得意で、この本でもそれがメインではないけれどところどころに出て来るので、ちょっと読んで敬遠していたのかもしれない。
ここのところ少しずつ、チームスポーツの戦術やシステム、フォーメーションについて興味が湧いてきて、それで本棚に並んでいるのを改めて見つけて手に取った。この著者のサッカー本は引き続き読み続けるとして、著者が他のスポーツを書いたらどうなるだろう?僕が出版社の編集者だったら、そこにチャレンジしてみるのではないかと思う。
(日々本 第197回 針谷和昌)
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