『星屑たち』(川端康生/双葉社)
「タイトルがとてつもない」と、この本が出た2005年からずっと思っている。『星』なら「スター」だけれど、『星屑』は「スターダスト」。『屑』だけ余計だ、と書かれた側は思うのではないかと、いらぬ心配をしてしまう。
著者は「あとがき」にこう書いている。….本書で僕がやりたかったことは、単にサッカー選手として彼らが輝き、そして光を失っていく道程をレポートすることではない。彼らを通してあの時代を再現したかった。….
著者の川端さんは、2002年ワールドカップの時に、何度か組織委員会のことを書いていた気がする。それで名前を覚えていたのだが、その後、湘南ベルマー レつながりでビーチでお会いする機会があって、その人柄に触れ、この人なら『星屑』と書いても大丈夫なんだろうなと納得した。
そして改めて辞書を引いてみた。星屑….夜空に光って見える、たくさんの小さな星。(新明解 国語辞典/三省堂より)….星々ということだから、意外と「屑」のマイナスイメージはない言葉なのである。
この本の出版社である双葉社は雑誌『サッカー批評』を出し、その後『サッカー批評叢書』を出版し、この本はその中の1冊。他にも何冊もこのシリーズが「サッカー 本の宇宙」にはある。『サッカー批評』は 1998年4月創刊。その第1号からずっと買っている。
川端さんはもとより、この出版社も雑誌も単行本も、サッカー文化の一翼を確実に担っていると思う。
(文・社団法人 本の宇宙)2010.06.15
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