『青い鳥文庫ができるまで』(岩貞るみこ/講談社)
10月上旬、朝日新聞の本紹介のページで、福岡伸一教授(青山学院大学)が紹介していた。早速本屋へ。ない。他の本屋へ。そこにもない。そんなことを続けていたら、あっという間に10月も下旬になってしまい、検索システムのある本屋で調べてみると…あった!児童書のコーナーに。
新聞の紹介からはわからなかったのだけれど、もともと「青い鳥文庫」というのは実在していて、それが児童書シリーズなので、自ずと児童書になるのである。新聞でも児童書紹介のコーナーに出ていたんだろうか。児童書とはまったく想像がつかなかった。
すべての漢字にルビがふってある本を読むのはいつ以来だろう。でも不思議と違和感がない。漫画を読むようにグングン進み、ほぼ1日で読み終える。本が作られるプロセスを順を追って物語で説明していく。ふつうは面白くなくなるお話になりそうだけれど、本文を「ほんもん」と読むんだ、などと学びながら物語にも引き込まれる。
最近、自分の周りに「本をつくる」とか「本を書く」という話が、結構頻繁に出てきているので、僕自身このテーマに興味津々なのは間違いないのだが、そういう個人的な関心度を差し引いても著者の腕は並大抵ではない。
児童書のまちがいは、万死に値する。
なるほど…児童書はとくにそうだけれど、この言葉は本作りにおいての基本なんだと思う。僕も本をつくるのであれば、このことを肝に命じて臨まなければならない。
(日々本 第153回 針谷和昌)
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