『雑学科学読本 身のまわりのモノの技術』(涌井良幸 涌井貞美/中経の文庫)
書店の店頭に平積みされていてパッと見て思わず買ってしまった。世の中、身の回りの科学技術はわからないことだらけで、わからないけれど便利だと割り切って生活しているのだけれど、こういう本を見ると、やっぱりそれでも少しでもわかってなくちゃと手が伸びる。昔の少年漫画誌の特集読み物イラスト風の表紙からも、そこを突いているという制作者側の魂胆が見えているのだが、それでもその魂胆に乗った、という感じである。
まだ一部しか読んでいないのだが、確かに物の仕組みがわかった気になる。わかった気になると同時に、本質的なことはわかっていないということもわかる。例えば「透けない水着」。これは僕がビーチバレーというスポーツに携わっている関係上、理解しておくべきことと思って先ず読んでみたのだが、内部に八角形の星型の芯を持った複層構造の繊維を使っていて、その芯には反射材の白色顔料の酸化チタンを含ませているそうで、その八角形の星型の芯が光を通過しにくくしているという。
八角形の星型の芯がポイントなんだ、なるほど、と思うけれど、なぜ八角形の星型が光の通過をしにくくしているのかまではわからない。そう思った人はさらに突っ込んで勉強すべし、というところだろうか。まぁとにかく、いろいろな身の回りの物の技術の枠組みだけでもわかっておいて損はなさそう。もう少し時間をかけて、じっくり読んでみようかな。
(日々本 第136回 針谷和昌)
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