『神去(かむさり)なあなあ日常』(三浦しをん/徳間文庫)
人の名前を覚えるのが不得意な方で、昨日も会ったのが2度目の後輩にもう一度名前を聞き、その際に間違えて次に呼び掛けた時に全然違う名前で呼んで、本人に悲しい顔で訂正させてしまった。まったくもって話にならない。仕事でも初めてなのか2度目なのかがわからず、名刺を出していいものかどうか躊躇することが多々ある。
そんな僕には非常に親切な、裏表紙に主要登場人物の顔のイラストが名前と簡単な説明付きで載っている本。5人と一匹。5歳児を含めた男4人、犬、そしてお婆さん。魅力的な女性が何人か出てくるが、彼女たちのイラストはなく、そこは想像にまかせるということだろうか。
林業に飛び込む若者の話。一歩間違えば大怪我や死にも直面する厳しい活動の中、一方でそこを含めて自然の魅力が随所に語られていて、自分も若ければ林業に携わっても良かったかもと、高い木の上に登っての作業があるから到底僕には無理なんだけれど、しばし勘違いさせられるぐらいその世界に浸ることができた。
『働く物語』は面白い。次は何を読んでみようか。
(日々本 第134回 針谷和昌)
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