『「経済効果」ってなんだろう?』(宮本勝浩/中央経済社)
吉本興業(2011年)の経済効果は、1,302億5,400万円。阪神タイガース(2003年)の経済効果は、1,481億3,000万円。同じく阪神タイガース(2005年)の経済効果は、643.0億円。2003年以降、プロ野球でこの2つに次ぐのは、読売ジャイアンツ(2007年)の418.0億円(いずれも優勝効果)。AKB48(2011年)の経済効果は、564億8,500万円。
これらは直接効果と波及効果を合わせた金額。直接効果とは、例えば吉本興業なら、営業収入、出演料、契約料、雑誌・新聞・写真集の売上の一部、CM出演した起業の売上増加額の一部などである。波及効果には一次、二次があり、一次波及効果とは、例えば劇場グッズ製造会社の売上増加、劇場周辺飲食店の売上増加、飲食店素材卸店の売上増加など。二次波及効果とは、一次で売上増加するとそれらの企業や店の経営者、従業員の収入が増え、それで社員旅行に出掛けたとすると旅行関係の売上が増加するが、その消費増加額をいう。
「かわいい動物の経済効果」として1章が費やされているが、和歌山県の貴志川線の岸駅のねこ「たま駅長」の経済効果は、10億9,400万円。京都府の福知山市動物園のイノシシ「ウリ坊」とニホンザル「みわちゃん」の経済効果は、5億6,900円。上野動物園のパンダ(リーリーとシンシンの2頭の1年目)の経済効果は、208億5,800万円。
「スポーツ」もある。ダルビッシュのアメリカにおける経済効果は、177億2,178万円、日本においては、82億円。斎藤佑樹がプロに入って、37億5,032万円。石川遼(2009年)は、341億4,500万円。大阪マラソン(2005年)は、約124億円。「テーマパーク」では東京スカイツリーが、4,182億5,372万円。紹介されている中で最大の数字である。ユニバーサルスタジオは10年間の累計が、1兆2,490億4,451万円。
他にもまだまだ載っているけれど、関西大学大学院教授の「経済効果」の試算方法は参考になる。細かいところまではわからないけれど、そこに想像力とオリジナリティを加味すれば、いろいろな経済効果を自分たちで試算できるのではないか。さて何からトライしてみようか。
(日々本 第133回 針谷和昌)
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