『働かないアリに意義がある』(長谷川英祐/メディアファクトリー新書)
「働く」ことに関する本を探していて目に入って来た。ふだんなら買いそうもない装丁だけれど、タイトルにググッと惹かれた。ちょっと立ち読みしてもイケていたのでレジへ。
アッと言う間に読み終わったタイミングと『会社の本棚』でお世話になった協賛社へのご挨拶が重なり、報告しながら調子に乗ってこの本を見せたら、「私も読みました」。さすが人事部。スペシャリストも読んでいるのかと、この本の評価が僕の中でさらに上がった。イケているその魅力の一端が、表紙カバーの折り返し部分に書いてある。
「身につまされる最新生物学!
・働き者で知られるアリに、われわれは思わず共感する。
・だが、生態を観察すると、働きアリお7割はボーっとしており、
・1割は一生働かないことがわかってきた。
・しかも、働かないアリがいるからこそ、組織は存続できるという!
・これらの事実を発見した生物学者が著す本書は、
・アリやハチなどの社会性昆虫に関する最新の研究結果を
・人間社会に例えながら、わかりやすく伝えようとする意欲作である。」
中でも僕が特別に気に入った部分はこんな話。あるハチの女王バチは働きバチが巣の上で休んでいると、さっさと仕事をしろとばかりに激しく攻撃して、エサを取りに行かせる。働きバチもさるもので巣を出て行ったあと、少し離れた葉っぱの裏で何もせずボンヤリと過ごしていたりする。
ハチが人間並みなのか人間がハチ並みなのか?いずれにせよ、あまり大差ないんだなぁってことでしょうか。
(日々本 第126回 針谷和昌)
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