『Number 809・810』(文藝春秋)
ロンドンオリンピック期間中に発売の『スポーツ・グラフィック・ナンバー』。でもオリンピックの記事については表紙に「ロンドン五輪速報」「北島康介/内村航平」「なでしこ & U-23代表」と小さく3行あるだけで、特集は「甲子園 夢の再会 あの夏を語ろう。」で、スーツ姿の桑田真澄と清原和博が甲子園球場グラウンドで笑って経っている写真。2人の対談が今号のメインでもある。
今回の僕のオリンピックはTV観戦だけれど、TVならではの面白さがあって、例えば水泳の水中カメラからわかるのは、平泳ぎの足はあまり前に持って来ないとか、背泳の腕は下でなく横にかくとか、ふだん知らないことをじっくりと見ることができたり、あまりよく見ない競技をTVならではのいろいろなアングルから楽しめたりする。トランポリン、バドミントン、卓球、ボート、ライフル射撃、競歩、フェンシング…それぞれかなり面白い。オリンピックはスポーツの祭典であるということを改めて実感するロンドンオリンピックである。
で、思うのだけれど、オリンピックをやっている期間も、Jリーグもプロ野球も海外のゴルフツアーもやっている。サッカーのオリンピックは23歳以下(+オーバーエイジ3名)、前回のオリンピック期間中も試合をしていた野球は今回からなくなり、ゴルフは次回から加わるという状況はあるが、オリンピックと関係なくプロスポーツとして成り立っている競技は、オリンピック種目である必要がないのではないか。
ふだんあまり見たことのない競技がクローズアップされ、見てみると面白く、見る人が増え、やる人が増えていく。その方が、スポーツ全体の発展に繋がると思う。これ以上オリンピックが巨大化する必要はないし、東京にオリンピックがくることになったら、そんな方向性を打ち出してもいいんじゃないかと思う。どうだろうか。
(日々本 第109回 針谷和昌)
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