前夜、ゾーンについてサッカー元日本代表キャプテン 宮本恒靖さんと話をしたと思ったら、次の日の朝刊に『「ゾーン」の法則』(志岐幸子/祥伝社)という本の広告が載っていたので、早速本屋で探してみる。著者の写真が表紙にあって、「至福の時を手に入れる14ヵ条」とある。著者は関西大学准教授。
買うか買わざるか結構悩みながら、立ち読み。サッカーの三浦淳宏選手のコメントが結構目に入ってくるけれど、この三浦選手のことも別の話題で宮本さんと話題になった(2006年ワールドカップ最終予選でピンチの時に開いた選手ミーティングで、三浦選手の最初のコメントがとても良くて、皆が一体となったという話だった)。こういう偶然があったにもかかわらず、とうとう立ち読みのまま本屋を出た。
ゾーンとは、超集中状態のことで、無音で動きがスローモーションに見える世界に入りむという、スポーツをやっていて突然やってくる状態。僕が今までに3回ゾーンに入ったことがあると言ったら、宮本さんも3回だと合わせてくれているかのように言った。
2002年日韓ワールドカップの横浜国立競技場でのロシア戦(日本初勝利)の試合前、2004年アジアカップ準々決勝ヨルダン戦(PK位置が宮本さんの交渉で変わった試合)でのPK戦7番目の選手として蹴る前、そして2009年神戸対川崎の試合でのオーバーヘッドキックの時。音が聞こえなくなり、自分の動くイメージがスローモーションで先にイメージ出来て、その通りに動ける状態。宮本さんはそんな表現をしていた。
結局僕がこの本を立ち読みで終えたのは、僕はゾーンの事例を少しずつ集めているので、ゾーンのことは自分で書いてみようという気持ちがあるから。誰と誰にインタビューして、というのも、何となくイメージが出来ている。こういうのはいつかやろうと思っていてもなかなか出来ない。何処かに背中を押してくれる奇特な方はいないだろうか。
(日々本 第97回 針谷和昌)
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