『I am』という素敵な本がある。小冊子と言ってもいいかもしれないし、カタログと言ってもいいのかもしれないが、僕は本だと思う。そしてこれはある種の“自伝”であると思う。
『I am』(島優一)
大学を卒業したばかりのこの新社会人が、ずっと関わってきた水泳にひとつの区切りをつけるために自作した本である。僕はまだ1回しか本人に会っていないし、この本は本人ではなくごく近い人からもらった。本人をあまり知らないけれど、その本から、本人の熱さが伝わってくる。
メッセージ入りのスイミングキャップがいい。低い視点から撮った写真がいい。レイアウトがいい。文章も読みやすい。
いまは誰もがこういう本を自作出来る時代かもしれないが、でも誰もがセンスを持っているとは限らない。本人の職業を知らないが、グラフィック関連の道に進んでもいいのではないか。裏表紙に小さく記載されていることが凝っている。
定価:本体 1,000 縁(税別)
カン社
わざわざ書くと野暮かもしれないが、縁であり、感謝である。キャップにプリントされた「ありがとう」「できるよ」「一生懸命」という言葉と、リンクする。
(日々本 第85回 針谷和昌)
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