初めてまともにドラッカーを読み、多くの経営者に好かれる理由がよくわかった。はじめに明快な結論、その後に簡潔な説明が続いて、さらに情にも訴える具体例が出てくる。明快、簡潔、人情。悩み多き経営者たちは、「先生!そうなんですね!わかりました!」と言いたくなると思う。無条件で納得、そんな感じだ。
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『非営利組織の経営』(P.F.ドラッカー/上田惇生 訳/ドラッカー名著集4/ダイヤモンド社)
もしかしたら、もっと早く読んでおくべきだったかもしれない。これは非営利組織のマネジメントの本だけれど、営利組織のマネジメントにも大変参考になる。非営利組織には、機会、卓越性、コミットメントの三本柱が不可欠で、ミッションにはこれら三つの要素を織り込まなければならないと言う。これは「非」を取った、企業にも言えることではないか。
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非営利組織は、人を変えたとき役割をはたす。人を変えるためのチェンジ・エージェント。その非営利組織の二つの重大な課題は、寄付者を参画者にすることと、あらゆる人に絆としてのコミュニティと目的の共有を与えること。こうやって断言されて、自分のやり方を振り返らせられて、少々悩む。先生の問い掛けは魅力的かつ難題なのだ。ミッションをもう一度熟考しなければという気になる。切実に。
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うまくいっているときに、組織の方向づけを変え、組織そのものを変えることは、絶対確実な戦略だという。われわれも変えなければと思う。顧客や消費者からスタートすればマーケティングで、製品やサービスからスタートすれば販売だという。われわれの顧客は誰かもう一度考えなければと思う。人は強みへの集中によってのみ自らの成長を図ることができるという。われわれの強みは何だ?と改めて考える。
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そして何よりも早く考えなければならないこと、が出てくる。ドラッカーが13歳のときに宗教の先生に訊かれた。「何によって覚えられたいか?答えられると思って聞いた訳ではない。でも50になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ」
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僕は何によって人に覚えられたいのだろうか?人生を無駄に過ごしていないのなら、答えが出る筈。でも、正直言って、パッと答えられない。質問は簡単だが、答えが難しい。後に引き摺る。この先生は手強い。
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