日々本 其の七十七「チャリティーコミック」

『僕らの漫画 東日本大震災復興支援 チャリティーコミック』(「僕らの漫画」政策委員会/小学館)

帯には「必要最小限の経費を除くすべての収益を特に被害が甚大であった岩手・宮城・福島の各県庁が主催する震災遺児・孤児のための育英基金に寄付いたします」そして「総勢27名の漫画家が無償で描き下ろした珠玉の読切28本」とある。「―漫画家が出来ること、それは本気で漫画を描くこと」ともあって、誰ひとりとして知らない漫画家たちの名前が並んでいたが、これを読んで新しい才能に出会えればと思って購入。950円。

読み始めて、いきなりジンと来る作品に出会えた。巻頭の『夜空の窓』(小玉ユキ)。幸先よし。彼女に続く26人の漫画家を、出てくる順番に紹介してみると…

三宅乱丈/鈴木マサカズ/橋本省吾/村上たかし/えすとえむ/belne/磯谷友紀/進藤ウニ/そらあすか/ヤマザキマリ/ルノアール兄弟/国樹由香/喜国雅彦/板倉梓/ねむようこ/ヤマシタトモコ/青木俊直/井荻寿一/石田敦子/今井哲也/信濃川日雄/和田フミエ/麻生みこと/手原和憲/さそうあきら/とり・みき

パラパラとページをたどると、全体的に白っぽい気がする。今の漫画の流行なのか?原稿を描く時間があまりなかったのか?見た目が濃くなることをテーマ的に避ける気持ちが無意識のうちに描き手に働いたのか?いろいろと推測出来るけれど、三番目の理由が意外と当たっているかもしれない。

日々本 第77回 針谷和昌)

hariya  2012年6月02日|ブログ