新聞に載る雑誌の広告を見ていると、どうして同じジャンルの雑誌が同じ日に出るんだろう?と思うことが多い。女性誌も、男性誌も、週刊誌も、高齢者向け健康雑誌も、発売日や曜日を業界ごとに申し合わせているのだろうかと思えるぐらい一緒。同時に発売すると何かしらの大きな販促効果があるのだろうか。かえって発売日をずらした方が、「どっちを買うか」と悩む人が「どっちも買う」になるのではないかと思うのは、素人考えか。
広告だけでなく、記事も、例えば日曜日に「本・読書」の特集を設けている新聞が多い。複数紙読んでいると、日をずらしてくれても良いなと思うし、個人的に言えば土曜日の方がゆっくりと新聞を読む時間があることが多いので、土曜に掲載してくれないかなぁとも思う。どういう訳か日曜日は朝から何かと忙しく、本のことを書いた紙面をあまり時間をかけて読めない。土曜掲載ならもし土曜に時間がない週でも、日曜に読めるという「土日」を使っての読みが可能だ。
いまや内田樹の本はほとんどと言っていいくらい読んでいるが、読んでいる日曜日の新聞に高橋源一郎が『「おじさん」的思考』(晶文社)のことを紹介していたのがきっかけ。それまでこの著者のことはまったくと言っていいほど知らなかった。髙橋源一郎の方もあまり読んだことがないのだけれど、面白そうに紹介されていて、読んだら実際面白かった。
面白いものを面白そうに伝えることは結構難しい。そして面白そうと思うには、読み手の状態も良き受け入れ態勢になっていないと受け取れない。そういうタイミングのようなものがうまく重なって、良いものが伝わっていく。
(日々本 第35回 針谷和昌)
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