
ラグビーのトップリーグで1位をキープし、いち早くプレーオフ出場を決めているサントリーは、この試合に勝てばプレーオフ進出となる6位神戸製鋼と、リーグ戦最後の試合で対戦。
試合はサントリーが開始5分のトライで先制点を奪うが、17分に逆転され10-11、そのままリードされ前半は17-18で折り返す。後半開始4分で逆転したが、同30分に再逆転され27-28、同34分に再々逆転のトライで32-28、このスコアのまま最後は逃げ切った。
試合後の記者会見。来シーズンから日本代表ヘッドコーチへの就任が決まっているサントリーのGMを兼任するエディー・ジョーンズ監督は、珍しく「本」を使った例え話をした。
「いつも『ラグビーは本みたいだ』と言っているんですけれど、最も重要なのは最初、そして最後ですね。本と同じです。サントリーは最初も勝ち、そして最後も勝ちました。神戸は中盤のところで勝っていたかもしれませんけれども、良い本を読むのと同じように、もし真ん中が良くても最後が悪かったらその本は捨ててしまいますよね」
サントリーの1位としてのプライドと、神戸製鋼のプレーオフ進出への執念とによって生まれた好試合。典型的なシーソーゲームだったが、この試合の比喩にわざわざ本を持ち出すところに、エディー監督のサービス精神がある。2試合前のインタビューでは「レスリングの試合のようだった」と振り返り、練習場にリングを作ってもらうよう頼むと言っていた。
エディー監督は以前、僕が行ったインタビューで、「ラグビーはオーケストラ」と言っていた。今後のサントリーの戦いで、そして日本代表の戦いで、さらにエディー監督はラグビーをどう例えるのか? この日の会見を聞いていて興味が湧いた。そしてエディー監督のラグビー観に、あとどれぐらいのバリエーションがあるのか? そして今後の戦いで、どんな面白い本を読ませてくれるのだろうか?
(日々本 第24回 針谷和昌)
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