次に読むべき本として頭に浮かんで来たのは
『なぜ日本は変われないのか』(山本七平/さくら舎)
という昨年末に出た本。「日本型民主主義の構造」というサブタイトルや、「初の単行本化!いま読むべき一冊!!」(※書かれたのは1975~76年)「なぜ、日本は政権交代しても何も変えられないのか!!改革の敵、日本の「官憲主義」を問う!」という帯の言葉に惹かれたこともあって、何度も本屋で手に取った。
気になったいちばんの理由はタイトルにある。だけれど今までは買うまでに至らなかった。何度かの逡巡を重ね、結局買ってしまったのは、『フクシマ』では解決できなかったことのヒントが書いてあるのでは、という思い。
自分としても「やっぱり買ったか」みたいな感じの本で、こういうことは今までも結構あったのだけれど、これ、自分のどこかに、本を買い過ぎている、という気持ちがあるからなんだろうか。今はもう飲まないけれど、今日は酒を飲むか飲まないか、と日々自問自答していた時にどこか似ている。
ムダに対しての忌避の気持ちもある。電気を消して回る心境にもちょっと近い。経済原則。最小の費用で最大の効果をあげるという原則。中学の授業で、目的地へ行く時に人は最短距離を選択する、という例えで習ったことを覚えている(その時の先生の顔も思い出せる)。
話が本題から逸れっぱなしだけれど、それだけこの本については書きにくく、僕にとっては難しい本だった。求めていたことが“解決”した訳ではないけれど、ここのところ考えていた「組織」についてのヒントがあった。
組織は目的のため、家族は存続のためにあるが、日本には組織(システム)という概念はなく、あるのは「組織的家族(システマティック・ファミリー)」である。そしてその「組織的家族」は「運命共同体」に転化し、組織がその組織を維持する能力しかなくなっても存続していくという。
次は少し柔らかい本を読もうかな。
(日々本 第11回 針谷和昌)
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