
そして手近なわが家の居間に置いてあったのが『神様』。短編集でいきなり「くま」が出てくる。続いて(勝手に僕がつけたのだが)「梨の妖精」である。いわゆる幽霊や河童も次々に登場する。まさに今の僕が読みたかったファンタジーのある日常の物語。
夢中で読み終えて次の『蛇を踏む』(川上弘美/文春文庫)へ。最初の話に蛇が出てきて最後の話に何と象が出てくる。前回取り上げた本からグルッと回って象に戻ってきた感じ。
これで終って閉じてもおかしくないけれど僕の中には「くま」が残っている。『神様』に出てきたけれどくまと抱擁したらどういう感じなんだろうという思いがどこかに残っている。そう思いながら“本の森”のような大きな本屋を歩いているとそういう本に出くわした。(今回も続きます)
(ことしの本棚 第92回 針谷和昌)
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