写真+文章+音楽の合体本。もともとは「CD」が最初のようである。「さあ、妄想の旅に出よう 10万枚をセールスした奇跡のCDがブック付きで再編集 目と耳で楽しむ、愛とリラックスあふれるブラジル」と表紙(の帯の場所にある帯のようでいて帯でない部分)に書かれている。音楽は「31 TRACKS 70 MINUTES」。
『CouleurCafe“BRAZIL” BOOK+MUSIC』(谷口周平/LD&K BOOKS)
綺麗なホッとするブラジルの写真がたくさん。ビーチの写真も多い。ブラジルのいいところがクローズアップされていて、これからサッカーワールドカップ、オリンピックと続くビッグイベントで訪れようかどうしようかと考えている人たちの、気持ちを後押しすることは間違いない。
僕はたまたま1987年から3年間、毎年2月のつまりリオのカーニバルの時期にリオ・デ・ジャネイロへ行った。それでいてカーニバルは見ていないのだが、それからもう一度、2000年の春にやはりリオを訪れた。最初に行った時に「リオには1度来たら、絶対もう1度来ることになりますよ、みんなそうです」と言われたけれど、すぐにその通りになったし、リオのイパネマやコパカバーナはもはや自分の街という気がしないでもない。
この写真+文章+音楽から、その頃のことをありありと思い出した。1度も行ったことがない人でも、充分にブラジルの雰囲気は味わえると思う。そして、でも行かなければわかないこともまたたくさんあることも事実。匂いだったり空気だったり光の強さだったり暑さや熱さ…これらは行かなければわからない。それが旅の本来の楽しみでしょうということで、「妄想」ではなく「さあ、旅に出よう」と誘いかけてくる優れたガイドブックである。
(ことしの本棚 第72回 針谷和昌)
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