内田樹の本なので買ったけれど、ずっと読まずに本棚に立てかけてあった。共著者の成瀬雅春という人が何者かわからないのだが、「ヨーガ行者の王」と書いてある。内田樹が合気道の達人であることも含め、身体の使い方などについて書かれてあるだろうと、購入後2ヶ月も経っているが読み始めた。
『身体で考える。 不安な時代を乗り切る知恵』(内田樹 成瀬雅春/マキノ出版)
読み始めて、驚く。共著者の成瀬雅春は何と空中浮揚が出来て、しかもその写真まで出ている。ん?ん??買ったのは失敗?いやそんなことはない。空中浮揚が出来る人間もいるかもしれない。いや居る。そんな心理的葛藤を経て、読み続けている。
その心理の背景には、インチキだ、と本をここで手放してはせっかく買ったのに勿体ないという気持ちがある。それで読み続けている。きっとこの先にいいことが書いてあるだろう、そう思い続けて読んでいる。内田樹の本に裏切られたことはないから、きっとこの人は本当に空中浮揚しているんだろう。そう自分に言い聞かせて読んでいる。しまいには、空中浮揚のことや写真を見たことを忘れたふりをして読み続けている。
こういう本の読み方もある。結末は、いずれまた…。
(ことしの本棚 第71回 針谷和昌)
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